●幸せの料理帖:加山雄三(著)、KADOKAWA、 2023年10月発行
今回ご紹介する書籍は、永遠の若大将である加山雄三さんの本です。
俳優、歌手、作曲家、画家、そして海・・・・・加山さんの肩書は様々あり、多くのセンスあふれる方です。
私は、かっこいいなあとずっと思ってきました。
料理も加山さんの趣味の一つです。
料理に関する本で一番重要なのは、そこに掲載されている写真です。
この本に掲載されているのは、どれも素晴らしい写真の数々です。
写真は料理だけではなく、加山さんのレシピノートやキッチン、食べている風景など、見ていて楽しくなってきます。
また内容も料理レシピだけではなく、様々なエッセイや加山さんにもてなしてもらった方々のインタビュー特集なども掲載されていて、とても興味深く読むことができます。
内容は大きく三章に分かれています。
第一章:俺の自慢の逸品では、様々な加山さんの得意料理のレシピが紹介されています。
この章で紹介される料理は、特に家族の楽しい思い出の中に存在した料理の数々とのこと。
なかでも、私が特に気になったのがバラハンです。
バラバラにしたハンバーグを略してバラハン。
ネーミングが面白いですよね。
これをご飯やトーストに乗せて食べるのが、とってもおいしそうです。
そして、第二章:若大将のもてなし。
加山さんは手書きでメニュー表まで作るくらい、来客を自慢の料理でもてなして楽しんでもらうのが大好き。
”中華”のもてなし、”洋”のもてなし、”イタリアン”のもてなしと、それぞれのジャンルで手の込んだ料理レシピが満載です。
最後が、第三章:光進丸のまかない料理。
私はこの章が一番のお気に入りです。
皆さんご存じのように、加山さんは海が大好きで、1968年に初代光進丸を進水させました。
それから約50年以上、残念ながら2018年に3代目の光進丸が火事で焼失してしまうまで、相棒である船がある生活を楽しまれていました。
光進丸にはキッチンが備えられており、そこで歴代作ってきた料理が紹介されています。
光進丸のキッチンで料理を作っている加山さんの写真が最高。
自宅のキッチンのように大きくはないけれど、そのなかで作られる料理は独特で、興味がそそられます。
私のこの章でのお気に入り料理は、コンビーフライス。
船にコンビーフの缶詰を常備しておくと、素早くできるメニューとして大活躍したとのこと。
私もさっそく作ってみましたが、とても簡単に作れておいしかったです。
この本一連を通して感じるのは、加山さんが料理を通してとにかく楽しんでいること。
それが、写真と文章によく表れています。
何度も読み返したくなるような、センスあふれる本です。
単なるレシピ本ではなく、いろいろ楽しめますので、ぜひ機会があれば読んでみて下さい。
おススメです。