●世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事:津川友介(著)、東洋経済新聞社
食事と言うのは、料理を作る音を聴覚でとらえ、盛り付けを視覚的に楽しみ、おいしそうな匂いや香りを嗅覚で感じ、口に入れて咀嚼し歯ごたえを満喫し、舌で味覚を十分に味わってから嚥下して、食道から胃に通過するまでわずか数秒間のできごとです。
この感覚器官の総動員による食事動作の数秒に価値を求め、こだわるかこだわらないかは人それぞれでしょう。
食に全く興味がなく、食べられるものなら別になんでもいい、料理にこだわらないという人も少なからずいます。
しかし、食いしん坊の私は、できるだけ安くておいしいもの(B級グルメ)や、普段食べられないもの(たまにはA級グルメも)、盛り付けが美しくおいしそうなもの、こだわりの料理人が作る名物料理などなど、ちょっとだけでも食事にこだわってみたくなるのです。
食事の究極は、気の合う人と一緒に楽しく食べることであると私は常々思っていて、そこにおいしい料理があればなお最高で、それが健康にも繋がると信じています。
自分が食べたい!と思う料理を食べられることこそが、元気のバロメーターです。
食べたいという気持ち=食力(しょくりき)が無くなれば、人間は元気に生きていくことができないでしょう。
その一方で、食事には体に良いものと悪いものが存在するのは事実であり、その知識を少しでももっておいたほうがいいことに議論の余地はないでしょう。
ちまたに溢れるその手の情報が書かれた本の多くには、筆者の主観や経験則だけの偏向した情報で満たされていることも多々あるので注意が必要です。
今回紹介する、『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』という本は、多くの論文からエビデンスレベルに基づいた食に関する科学的事実を理路整然と客観的に述べたものなので、興味深く読むことができました。

この本に書いてある内容の要旨は、以下のとおりです。<p32、表1-1より引用>
<◎健康に良いと考えられる食品(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)>
①魚
②野菜と果物(フルーツジュースやじゃがいもは含まない)
③茶色い炭水化物(玄米、蕎麦、全粒粉を使ったパンなど精製されていない炭水化物)
④オリーブオイル
⑤ナッツ類
<〇ひょっとしたら健康に良いかもしれない食品>
①ダークチョコレート
②コーヒー
③納豆
④ヨーグルト
⑤酢
⑥豆乳
⑦お茶
<△健康へのメリットもデメリットも報告されていない食品>
・その他の多くの食品
<×ひょっとしたら健康に悪いかもしれない食品>
①マヨネーズ
②マーガリン
<××健康に悪いと考えられる食品>
①赤い肉(牛肉や豚肉。鶏肉は含まない。ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い。)
②白い炭水化物(白米、うどん、パスタ、白いパンなど精製された炭水化物)
③バターなどの飽和脂肪酸
これらにつき、各章でその詳細が述べられ、巻末には科学的根拠となる多数の引用文献がリストアップされています。
こうして見ると、私は健康に悪いものとされているもの、ほぼ毎日のように食べてます・・・・・・だっておいしいんですもの。
今日のランチも、ラーメンとチャーハンのダブルで白い炭水化物をいただきました。
栄養学については、まったく偉そうに言える立場ではないことは、重々自覚しています。
しかし、現時点における科学的な食の知識として、読んでおくのは悪くないと思います。
ダブル炭水化物を食べてもいいけど、果物もしっかり食べようとか、間食にはナッツ類を食べようとか、調理には積極的にオリーブオイルを使おう、などの工夫ができるからです。
本は2018年発行なので、少し情報としては古い可能性があることに注意が必要なものの、概ね結論としての大きな間違いはないと思われます。
興味のある方は、一度手に取って読んでみて下さい。
読みやすくてためになる、おススメの食の本です。

