●南海そば 南海天王寺店、大阪・JR天王寺駅: 朝定食 380円
JR天王寺駅の改札外のコンコース端っこにある、南海そば。
いつも人が一杯で大人気店です。
コの字型のカウンターのみで、立ち食いスタイルのお店。
オジさん率は99%と客層がコアなのが特徴的。
アローン率も99%で基本的に会話がないため、実はものすごく店内は静かです。
オジさん達が、静かに何かを考えながら、そばやうどんを立って食べている後ろ姿は、哀愁がありますね。
私的に、南海そばの名物メニューはイカ天うどんです。
とにかくイカ天が大きくて、丼からはみ出しているんです。
天ぷらはからっと揚げたてがおいしい!と思いますが、駅の立ち食いでは、衣の多い作り置きでしっとりした天ぷらが案外おいしいんですよね。
ここのイカ天は、そばよりもうどんが合うような気がしています。
注文は、店頭にある、券売機で購入し発券します。
最近、券売機がリニューアルされて、最新のタッチパネルになりました。
旧型の使い方がシンプルなため直感的に買えたので、ご高齢の方にとって新型はちょっとわかりづらいかも。
でも、カードや電子マネーで支払いができるので、慣れれば便利でしょうね。
天王寺店の朝定食は、そばかうどんか黄麺(中華麺)に、きつね揚げ、生卵、昆布からトッピングを選べて、おにぎり2個付いて380円!
麺は袋麺ながら、出汁で食べさせるお店で、とてもおいしいです。
二日酔いの朝に、五臓六腑に染み渡る出汁と言っても過言ではありません。
そして、ふりかけおにぎりがおいしくて、ここの出汁によく合います。
さて、南海そばは、その名のとおり、南海電車の停車駅に昔からある立ち食いそば店です。
現在では、南海なんば駅、南海新今宮駅、そしてJR天王寺駅に南海そばがあります。
★南海そば 公式HP:https://www.nanshoji.co.jp/brand/nankaisoba/
JR天王寺駅には南海電車は走っていないのに、なぜ南海そばがあるの?って不思議に思う人も多いかと思われます。
その答えは、実はその昔、天王寺駅まで南海電車が乗り入れていたのです。
南海本線の天下茶屋駅から天王寺駅まで南海天王寺支線があったのです。
かつては、国鉄(現在のJR)と南海電車を接続する路線として、重要な路線でした。
しかし、大阪環状線が完成し、新今宮駅で国鉄と南海が接続できるようになり、天王寺支線の必要性は低下しました。
次第に乗客数も激減したため、今から30年前の1993年に廃止となったようです。
この南海天王寺支線があったため、同じ南海グループである南海そばもできたのでしょう。
現在、南海天王寺支線のホーム跡地には、総合商業ビルの天王寺MIOが建っています。
JR天王寺駅の一番端の18番ホームの壁の向こうに、南海の天王寺駅ホームがありました。
少し18番ホームに沿って歩いて行くと、その場所が見えてきます。
吹き抜けを通して見たら、現在は荷物をトラックなどで搬入する場所になっていますね。
今回は、天王寺駅に南海そばが存在する理由につき説明しました。
天王寺駅内の廃線ホーム跡だけでなく、天王寺駅を出てからも、南海天王寺支線の廃線跡は今も確認できます。
廃線マニアには、たまらない場所です。
また何らかの食と絡めて、いつか廃線跡をレポートしたいと思います。