●一屋 讃岐生うどん: ひやひや(通称ひやかけ)vs ひやあつ(通称そのまま)
讃岐うどんの究極の食べ方はなにか?
かけ、ぶっかけ、生醤油、釜揚げなど様々な食べ方があり、更に細分化されることは、私のブログでも過去にまとめたことがある。
★チョコっと!讃岐うどんの分類(マニアック版):https://ryori-bandai.com/2022/08/15/chocot-sanukiudon/
今回は基本中の基本の食べ方、かけうどんに関するお話である。
讃岐うどんの一番の特徴は、言うまでもなく麺の腰にある。
通常は、生麺を茹でたあと冷水で水洗いし、しめるのが定番だ。
ちなみに、しめずに茹であげをすぐに食べるのが釜揚げである。
冷水でしめた麺をそのまま使うか、振るいザルに入れて再度温めるかは、好みにより異なる。
そして、麺の腰を楽しむ以外にダシもきわめて重要である。
讃岐うどん特有のイリコダシを楽しめるのが、かけうどんの良さである。
さて、このように麺とダシが大事であるが、さらに麺とダシそれぞれの温度(冷やこいか熱いか)により、かけうどんは以下の4パターンに分類される。
すなわち、
①あつあつ (麺熱い×ダシ熱い: 通称かけ)-これが基本のかけうどん
②ひやひや (麺冷やこい×ダシ冷やこい:通称ひやかけ)-夏場は大人気
③ひやあつ (麺冷やこい×ダシ熱い: 通称そのまま)-讃岐うどんずきに人気のこだわりの食べ方。そのままというのは麺をあたためずにそのまま使うとの意味。
④あつひや (麺熱い×ダシ冷やこい: 通称名なし)-このパターンで食べることはきわめてまれ
今回、毎日のように讃岐うどんを食べているマニア君とかけうどんに関して議論する機会があった。
私は麺の腰を楽しめる②ひやひや(通称ひやかけ)が最近一押しだと話すと、マニア君は③ひやあつ(通称そのまま)こそが、讃岐うどんのベストの食べ方だと力説した。
マニア君は私同様に、麺については冷やこいからこそ腰を楽しめることに異論はないとのこと。
しかしダシについては、冷やこいとイリコの香りや風味が立たなくなってしまうから、熱いダシこそかけには必須とのことであった。
そこで、ひやかけとそのままを食べ比べてみようと考えた。
しかしながら、本場香川ではともかく、関西圏の讃岐うどん店で、ひやかけすら食べられることが少なく、そのままはさらにハードルが高く食べられない。
そこで、自宅でひやかけとそのままを作って比較することにした。
マニア君がオススメしてくれたのが、一屋の讃岐生うどん。

お土産うどんの中では、最近一押しとのことである。
麺とかけダシがセットになっているので、今回の比較に最適だ。

大量のお湯を沸かし、規定時間をきっちり守って麺を茹でた。
その後しっかり水洗いし、最後に氷水で麺を冷たくしめた。
濃縮かけダシは、一方は氷水で薄めてキンキンに冷やし、もう一方は熱々に温めた。
丼2つに、同じ冷たい麺を入れ、冷やこいかけダシと熱いかけダシを別々にかけた。
これで、ひやかけとそのままのかけ二種類が完成した。

見た目はまんま同じ、なんの違いもない。
双方に、薬味のネギ、おろししょうが、すりごまを入れて、すかさず食べ比べた。

まずは、ひやかけを。
冷たい麺は腰を感じ、ツルツルでおいしく、ダシも冷たくイリコの風味を感じうまい。
次に、そのままを。
ダシの香りはマニア君の言う通り、冷たいダシよりイリコの風味が際立つ、なるほど。
しかし、冷たい麺に温かいダシを入れたら当然ダシはぬるくなってしまう。
これは自分にとっては疑問に思えた。
これならば、あつあつの基本のかけうどんの方がいいのでは?と感じたのだ。
ただし、今回は麺を氷を入れた冷水でしめたものを使った。
讃岐うどん店では、水洗いししめた麺を常温に置いているので、ここまで麺は冷たくはない。
なので熱いかけだしをかけても、ここまでぬるくならなかった可能性が高い。
となると、また結論は変わるかもしれないと考察はした。
しかし、私にとっては、かけうどんはひやひやのひやかけが一番である。
これは、揺るがざる事実であると結論づけた。
でもね……実は基本のかけうどんもうまいし、それぞれが好きな食べ方で食べるのが一番かな!

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